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そうしてまずはナショナルブランドの居酒屋が、次には地方の居酒屋が、創作料理店の内外装を楳倣することを始めたのです。
結果、居酒屋と創作料理店の内装は次第にボーダレスになっていきました。
しかし多くの居酒屋は内外装にこだわるだけで、出している料理のテイストは以前と何ら変わりない店が多いのが現状です。
外食の市場規模は今後も縮小することはないと思われますが、劇的に拡大することもまた考えられません。
似た店が増えるということは消費者から見れば選択肢の拡大、外食企業から見ると競争率の激化につながります。
つまりは外食企業にとって、生き残りは非常に厳しいということ。
飲食の緊盛店の入れ替わりは三年スパンという「三年サイクル説」が浮上するほどの殺伐とした時代への突入です。
内外装重視の店が増えたことは、さらなる影饗を及ぼしています。
よりお金をかければより良い店が作れると勘違いした人たちが増え、店舗の内装に一坪当たり八○万円から、高いところでは一○○万円以上もの費用を投下する店が増えているのです。
内装の費用が上がるということは、初期投資萱用が増えるということ。
一○○坪の店を開こうと思ったら、内装費用だけで一億円を投入しなければなりません。
三年サイクル説が唱えられるこのご時世、それだけの投資を三年で回収するのが厳しいということは、想像に難くない。
ならば自店ならではのほかの何を武装していくかということが、生き残りの鍵を握ることになります。
創作料理は多大な浸透性と吸収性を持ちながら、十年足らずで急激に広がりました。
初めは特異な存在だった創作料理が外食のスタンダードとなった時、今度は創作料理の崩壊が始まるのかもしれません。
明確な定義のない創作料理は無限の広がりを持つようにも見えますが、他店の料理を模倣したような料理の横行はいたずらに似たような店を増やし、創作料理の衰退を招くでしょう。
創作料理の全盛期はいましばらくは続きます。
しかしそろそろ、「脱・創作」という次の一手を考え始める時期にさしかかっているのかも知れません。
外食企業にとって「人間味」がいかに大事かということは、創業当時から考えていたことでした。
自分自身にどのような「人間味」が備わっているか、またどうしたらより魅力的な「人間味」を身につけることができるのか、私は常にそれを考えながら、これまでの人生を過ごして来ました。
私は一九五七年、北海道・函館で生まれました。
五歳の時に小樽に引っ越し、中学二年生で再び函館に戻って、その後高校を卒業するまで函館で過ごしました。
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